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移動時間を“削る”のではなく、“整える”という発想

交通
上質な時間

先日、京都へ出向く用事があった。

大阪・梅田から阪急で烏丸まで。
時間にして1時間もかからない程度の移動だ。

その際に、移動で初めて阪急電車の有料指定席「PRiVACE」を利用した。

追加料金は500円。

たった500円。

しかし、実際に乗ってみると、その価値は単なる「座席料金」ではなかった。

車内は静かで、座席には余裕がある。

ほぼ満席の通常車両とは空気そのものが違っていた。

私はその時間、会合の資料に目を通していたのだが、不思議なほど集中できた。

もちろん、到着時間が早くなるわけではない。

移動時間そのものは同じである。

けれど、到着した時の“疲労”が違った。

最近よく思う。

人は時間を節約したいのではなく、本当は「消耗」を減らしたいのではないか、と。

若い頃は、
少しでも早く、
少しでも安く、
少しでも効率よく、
そういう価値観で動いていたかもしれない。

阪急の500円指定席で考えた、「小さな贅沢」の本当の意味

年齢を重ねるにつれ、“余白”そのものに価値を感じるようになった。

静かな空間。
考え事ができる時間。
人混みに神経を削られないこと。

そういうものは、実は仕事の質やその後の思考の深さに直結している。

ブラックカードのラウンジも高級ホテルのクラブラウンジも、本質的には同じなのかもしれない。

豪華さではなく、「不要なノイズから離れるための装置」。

そう考えると、500円という金額は、移動そのものへの支払いではなく、
“自分の認知資源を守るための投資”だったように思う。

最近は、
何かを「得するか」で判断するよりも、
何を減らせるか、
何から距離を置けるか、
そんな視点で物事を見るようになった。

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